2012年7月15日日曜日

九州の鉄道

博多駅に停車中の883系特急「ソニック」
九州が大変なことになっている。広範囲にわたってものすごい量の降雨が続いている。集中豪雨などというレベルではない。肥薩線の「SL人吉」や久大本線の「ゆふいんの森」などの人気列車は大丈夫だろうか。
 JR九州は来年から「クルージングトレイン」を走らせる予定だ。列車デザイナーの水戸岡鋭治さんが総監修した九州一周豪華寝台列車計画がまさに完成目前なのだが、この豪雨の被害が影響を及ぼさないか心配だ。
 九州の鉄道はこれまでも幾多の豪雨災害を経験してきた。肥薩線の真幸(まさき)駅は昭和47年に豪雨による土砂崩れで駅が集落ごと流されてしまったし、 平成5年には錦江湾に面した鹿児島本線の竜ヶ水駅が土石流に襲われた。このときの乗務員が独自の現場判断で奇跡的に乗客を避難させたエピソードは、NHKの「プロジェクトX」でも取り上げられた。
 豪雨だけでなく、九州は台風、火山の噴火などの災害との戦いが宿命付けられた土地だ。その荒々しい気候風土が旅を魅力的なものにしてくれるともいえる。水戸岡さんがかつてデザインした883系「ソニック」はエクステリアもさることながらミッキーマウスの耳のような座席のヘッドレストの意匠が異彩を放っていた。身近にこんな列車が走っている九州人がうらやましい。
 水戸岡さんが「JR九州との最後の仕事」と公言する「クルージングトレイン」の完成が待ち遠しい。

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