近所の公園、というか公園に隣接する山に、一本のコナラの木がある。コナラには珍しく樹液がドクドクと出ている。いつも30匹以上のカナブンが群がっているようだ。これに気付いたのが6月はじめ。必ずやクワガタが来ると見込んで何度もチェックしているが今日もカナブンがブンブンと幹の周りを飛び、樹液の漏れ出すポイントで蠢いていた。やっぱり懐中電灯を持って夜に来ないとだめだろうか。
こうした「樹液ポイント」はカブトムシやクワガタを狙う近所の親子なら皆チェックしているもの。たいてい昼間にチェックし、夜、ふたたび意気込んでやってくる。なかには「バナナトラップ」という人工のエサ場を設置して狙った虫をおびき寄せる作戦もある。でも、コナラやクヌギの樹液の味には勝てないらしい。漏れ出た樹液が少しずつ発酵するときの甘酸っぱい香りが多くの虫を誘うのだという。
最近知ったのだが、コナラやクヌギの幹に傷を付けるのはカミキリムシやボクトウガというガの幼虫らしい。 手っ取り早く樹液を出させるなら人間が幹にキリでも突き立てればよさそうなものだが、そういう「傷」はすぐに塞がってしまうのだそうだ。いっぽう、虫に傷つけられた樹木の方もやられっぱなしではなく、だいたいひと月もすれば傷を修復してしまうとのこと。
この「森の酒場」には甲虫類のほかに、ヒカゲチョウ、スズメバチ、ショウジョウバエ、ゴキブリ類もやってくる。そしてそれらを見にくる僕ら人間も実はけっこうな人数なのだろう。
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