2012年7月29日日曜日

レコード歌謡の記憶

打ち上げ後の二次会で新宿のゴールデン街に初めて足を運びました。実はゴールデン街の場所自体定かでなかったのですが、青梅街道の新宿区役所前交差点から延びる旧都電の引き込み線跡がまさにその「参道」の役目を果たしているのでした。
 小さな店がぎっしり並んだ木造2階建ての長屋造り、だったかな。その2階に目指すレコード酒場がありました。
 5人掛けのソファとカウンターだけの店内。カウンターの上には数十センチの高さに積まれたEP盤のレコードが。店の主人にリクエストをすると、その何百枚というレコードの中からお望みの盤をサッと抜き出してかけてくれる仕組みです。僕は思わず松田聖子の「夏の扉」をリクエストしてしまいました。
 この伝統の「仕組み」はよくできたシステムだと思います。自分にとって懐かしい歌謡曲の世界にフルコーラスで、居合わせた人たちと浸れるのですから。しかもBOSEのスピーカーから流れる音量はカーステレオのフルボリュームに近いものです。自宅で同じことをするのはまず難しいでしょう。
 カラオケと似ているようで違うのは下手な歌を聴かせたり聴かされたりすることなく、同世代に近い人なら誰もが記憶のどこかにあるオリジナルの音源で「タイムトリップ」できるということです。
 わずか1時間ほどの滞在だったのですが、僕がほかにリクエストした「南回帰線」(堀内孝雄と滝ともはる)、「私鉄沿線」(野口五郎)、「面影」(Gメン75のエンディングソング、島崎由理)はすんなりかけてもらえました。こういう皆で共有できる歌謡曲っていいなあ、と思う反面、今時の趣向が細分化した歌謡界(ミュージックシーン?)の楽曲で将来同じ仕組みが通用するのだろうか、と思わずにいられませんでした。

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