夏の日。京王相模原線上り線路の上でカメラを構えた。
踏切の線路上から見る駅のたたずまいはどこか凜としていた。
風景を貫くレールと前照灯あるいは尾灯を灯した列車の存在がファインダーの絵を引き締めていた。
1世紀もの間、踏切を渡る誰もが眺めた日常の風景が人々の胸にしまい込まれた日。
最新鋭の電車が線路の上で待ちぼうけ。なんと牧歌的な風景。それも記憶の中に。
JRや小田急線より幅の広い軌間1372ミリの線路が複雑に交わる調布駅西側の空間。
巨大な車体が規則正しい動きで迫ってくる光景を何度も眺めた。何も不安な要素はないのに、なぜかいつもドキドキしながら眺めた3、4番線からの眺めもいつの日か語り草のひとつになるのだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿