2012年9月16日日曜日

ファイティングポーズ

新しい仕事と職場。
20年前に先輩社員について歩いた記憶が蘇る。でも、脳細胞の数は確実に減っているわけで。
 性能の落ちた頭をたたきながら、
さあ、これから来春くらいまでが正念場。

2012年9月5日水曜日

仕事

先週末は大荒れの空模様でした。
昼間のアブラゼミや夕方のヒグラシが少しずつ減り、代わってツクツクボウシの忙しない鳴き声が響くようになりました。夜はエンマコオロギに負けじと樹上でアオマツムシが頑張ります。
このままあっという間に年の瀬を迎えるのだと思うと、自分に残された時間というのは本当に短いんだと思わずにいられません。

今月から新しい仕事に挑戦します。
不惑の四十から5年を過ぎた身、かなり硬直化したであろう心身に喝を入れなければ、と覚悟しています。
一方で、あえて声を上げないまでもフリーとして独立し、御縁あって気遣ってくれる方々に、しばらくの間背を向けるような心境でもあります。いつかそのときの自分なりの恩返しができればいいなと思っています。

2012年9月3日月曜日

残念な藤子F不二雄ミュージアム

土曜日、開館1周年を迎えるという川崎の藤子F不二雄ミュージアムに家族で行きました。10時半の予約なので早起きしたのですが、朝7時の豪雨に出ばなをくじかれます。小降りになるのを待って家を出ました。
 小田急線の向ヶ丘遊園駅でホームに降り立つと再び大雨。ただ時間がないので南口で出てミュージアムのある方向に歩き出しました。ところが、ちょうどスーパーのダイエーのあたりで土砂降りに。ダイエーの特売用のテントの下で雨宿りをして、結局徒歩16分のところを約30分かけてミュージアムにたどりつきました。向ヶ丘遊園駅前から続くキャラクターの像もちょっとかわいそうに見えました。





この博物館?は三鷹のジブリ美術館同様の事前予約制によって決められた時間帯に入館するしくみですが、予約した入場券に書かれた10時半を1時間ほど過ぎて到着した我々を迎えた入り口の女性係員は
「時間を過ぎていますが何故ですか? 次回は遅れないようにしてください」
と。やっとたどりついたミュージアムで、清楚な制服に身を包んだ女性係員に「何故」と言われて何と答えればよかったのでしょうか。遅れたのは事実ですが、咎められるようなことをしたつもりはありません。しかも「次回」って何様のつもりなのでしょう。実はこれは妻が言われたことだったのですが、ここがそんなマニュアルに支配された施設であることに気付くのに時間は要しませんでした。
 館内で目に付くのは「お手を触れないでください」の文字。小さい文字ですが、いたるところに洪水のように溢れています。ご丁寧にもミュージアムショップの「見本商品」にも。展示物の高さが子どもの目線より大人向けになっているのも気になりました。たしかに息子や娘よりも親の僕らのほうがリアルなドラえもんやオバQの世代ですが。「先生の机」の上に吹き抜けのような空間が設えてあり、そこに膨大な「先生の蔵書」がありました。でも、どんな本があるのか、大人でも遠くて見えません。背表紙を眺めてみたいと思う人は結構いると思うのですが。それとも、ただのデコレーションでしょうか。
 展示されているまんがの原稿類にも経年変化を避けるために照明の光量を落としたり、定期的に複製に差し替えていますとの説明があります。ならいっそのことすべて複製にしてしまったらどうかと思うのですが・・・。展示されている複製にはパーマンに出てくるコピーロボットの印が付いているのですが、パッと見は本物と比べて遜色ないように思えます。どうも一つ気になると、そんなものがあとからあとから出てきてしまいます。
 同じようなミニシアターなどもあるので「美術館」を名乗るジブリとどうしても比較してしまいますが、 ここは展示も人間の対応も中途半端です。誰を楽しませるための場所なのか、何のための展示なのか、よく考えて内容を整理してリスタートしたほうがいいのではないでしょうか。それこそJR九州の水戸岡さんデザインの列車でも視察してみては。
 大混雑の館内の食事処で2時間近く待って食事を済ませ(ここのオペレーションもうまく働いていないようでした。数十組が待っているのに三分の一近くが空席という状態が見受けられました)、駅までの道で再びゲリラの雨に見舞われて雨宿りで入った初めてのコメダ珈琲。温かいもてなしとコーヒーにホッと一息ついたのでした。
 「次回は遅れないように」
 今日はいきなりそんな「指導」を受けてしまいましたが、うちは今回限りで結構です。

昔、パーマンのバッチが欲しかったです

2012年8月31日金曜日

復元された東京駅を見に行く(外観だけ)

復元中の東京駅のレンガ駅舎がだいぶできていました。ドーム部分だけでなく、建物全体が甦った印象です。実際、基礎部分だけとっても新たに免震構造となるなど、リニューアルとは違う変化を遂げた姿が誇らしげでした。
 振り返って駅前ロータリーの周りを見渡すと巨大なビルだらけです。それでも二階建ての丸の内駅舎が小さく見える、なんてことありません。それはこの駅舎が南北にとても長いことと、駅前の敷地(ロータリーと呼んでいいものかどうか)空間があまりにも広いせいでしょう。この広い駅前の空間に加え、皇居に続く行幸通りの道幅の広さのおかげで圧迫感はありません。
 もっとも駅前のビル、たとえば新丸ビルなどが偉容を誇っているのには「空中権取引」というからくりがあるのです。これは低層の東京駅が使わない空中の容積率を、三菱地所などの周りの地権者がJR東日本から買い取り、その分、当地の建築物の容積率を積み増してよい、とする特例を利用した再開発が進められてきたからです。いっぽう、JRは取引で得た資金を駅舎の復元や周辺の整備に充てているのだそうです。

  駅舎の北側のドーム部分です。この内側の空間も復元され、この秋には干支をあしらった装飾などがお目見えするとのことです。
 いまの姿からは、かつて高層ビルの駅舎への「立て替え危機」があったとはとても思えません。














  最近はレンガが気になってしょうがないです。これは東京駅の南隣の有楽町駅の日比谷口の高架側面です。JRの新橋〜有楽町間の高架橋はドイツ人技師のフランツ・バルツアーによって設計・建造されたものです。有楽町駅は開業から100年以上経っていますから、レンガの耐久性もなかなかのものです。
 ところでこの写真を撮ったのは真ん中の丸い部分がなんだろうと思ったからです。当初からあるものなのか、だとしたら何のためのものなのか、ご存じの方がいたら教えていただきたいです。

2012年8月25日土曜日

北八ヶ岳へ(2)

今回の宿は、「じゃらん」のクチコミを参考に直前に決めた小海町のペンション「リゾートイン・ボンシック」です。小海リエックスというリゾートホテルのそばにあります。一帯は標高が1400メートル以上あり、西の方向には八ヶ岳の峰々が連なります。写真は横岳です。
 ペンションの近くには2件の立ち寄り温泉があり、今回は二晩とも小海リエックスの「星空の湯」に入りました。外来入浴扱いで、ペンションでもらえる割引券を提示しても大人ひとり600円と決して安くはないのですが、清潔で遠く浅間山を望める露天風呂の爽快さに感激。おまけに、入浴後は受付横の冷凍ケース内のアイスが食べ放題なのです! このホテル、パンフを見ると「シャトレーゼリゾート・・・」とあります。嬉しいサービスですね。
 ペンション「リゾートイン・ボンシック」はクチコミに偽りなく、料理やご主人の丁寧な接客が印象的な素晴らしい宿でした。子連れで評価(あまりこの言葉は使いたくないのですが)が分かれるのは料理でしょう。このペンションの食事で嬉しかったのは、献立が大人も子どももほとんど同じメニューだったことです。自分は「お子様メニュー」と称したエビフライやらフライドポテトやらハンバーグなどの安易な「ごちそう」が大嫌いなのです(全部冷凍食品で済ませられる献立です)。子どもの舌にも真剣勝負、と言っては大げさですが、要はみんなで同じものを味わって「おいしいね!」と語り合えるのが第一です。それに量も適度なので、「お子様メニュー」でありがちな、「冷めた食べ残しはお父さん」ということもありません。それと個人的によかったのは朝のコーヒー。うまかったです。

  宿のダイニングの隅のラックにレコードを見つけました。レコード自体懐かしいものですが、そのラインナップが自分のストライクゾーンど真ん中で驚きました。写真はほんの一例。初めて買ったEP盤の「贈る言葉」、小遣いがなくて買えなかった「さらば宇宙戦艦ヤマト」、当時聞き始めたAMラジオで毎日のように流れていたYMO。聞けばオーナーの娘さんのものも含まれているとのことでしたが、こんな高原の宿で出合えるとは思っていなかった品々にしばらく見入ってしまいました。

高原の朝の日差しを浴びる宿「リゾートイン・ボンシック」。夜は路上に家族で寝転んで満天の星空を眺めました。昼間、セミの声がしないのも涼しさを感じる理由かもしれません。





宿の周りに咲くハギの花。暦の上ではとっくに秋ですね。










  野辺山の牛乳工場にも立ち寄りました。近所のスーパーでうちもよく買っている「シュッポッポ牛乳」の製造元・ヤツレンです。やっぱり夏はこれですね。食べたあと、のどが乾くんですが。




  工場の見学コースでは、牛乳がおなじみの紙パックに充填されていくようすが見られるようになっていました。














  野辺山といえばSLランド。数年ぶり二回目の訪問です。先日小学館から出た「保存鉄道に乗ろう」にも掲載されているナローのミニ鉄道です。今回はSLには乗らず、敷地内を周回する「スイス・レーティシュ鉄道」を楽しみました。




  これがレーティシュ鉄道の「オンボードカメラ」の画像です。コスモスやルピナスの花が軌道ギリギリまで植えられているので、流れる景色のスピード感は抜群です。レバーを倒すだけですが、自分で運転できるのもいいです(今回は娘がレバーを握りました)。



  昼ご飯は、これまた数年前に行った川上村のそばの店「善慶庵」へ。そばを注文すると、このそばゼリーとお新香、そして川上村特産のレタスのサラダがお茶とともに出てきます。これを食べながらそばが茹で上がるのを待つわけです。本当はこれに加えてビールが最高。ですが、クルマが・・・。












  そばは十割そばのみ。つゆは好みの薄味が嬉しいです。















善慶庵
長野県南佐久郡川上村原836−8
営業時間:11時〜19時
メニュー:
もりそば(並) 800円
もりそば(大) 1000円

2012年8月24日金曜日

北八ヶ岳へ

2泊3日で北八ヶ岳周辺に出かけてきました。写真は白駒池。そして撮影している場所は標高2300メートルの高見石です。7才の息子だけでなく、4才の娘も巨石の連なる頂に自力で立つことができました。

  高見石という頂は直下にある高見石小屋という山小屋から歩いて5分ほどですが、ご覧のように大きな石の隙間に落ちないよう登らなくてはならないので緊張します。最初4才の娘には無理だろうと登らせる気はなかったのですが、意外なことに自分から挑戦し、頂上に立ってしまいました。



  白駒池のほとりには白駒荘と青苔荘(せいたいそう)の2軒の小屋があります。これは白駒荘の旧館です。








  白駒荘のテラスでコーヒーを頼みました。アキアカネやオオルリボシヤンマが目の前の池の上をたくさん舞っていました。














  不意にキボシカミキリが現れました。飛んでいるときは体を立てています。ゆっくりなので素手ででも十分捕まえられます。







  昔、秋に来たことがありますが、池の周りが真っ赤に色付く様子は見事です。

  高見石のテーブルにいたチョウ。たぶんアカタテハという種類です。なぜか口吻を延ばして乾いた木の表面をトントンしていました。







  こちらは国道299号沿いの駐車場にいたチョウ。図鑑を見ても確証が得られません。消去法でコムラサキ?が残りましたが。
 蝶はとまってまっているとき羽の裏側しか見えないので図鑑の図版もこちらを主にしてほしいものです。



  ついでにゴマダラカミキリです。首の付け根から「ギイギイ」と音が聞こえます。噛まれると痛そうですが、まだ噛まれたことはありません。







国道299号と白駒池を結ぶ道はコメツガ、トウヒなどの原生林の中にあります。高見石の岩場のようなゴロゴロした岩の上の薄い土壌に、それらの巨木が根を張っているのです。何百年も前に倒れたであろう大木や岩にもまたコセイタカスギゴケなどのコケが厚く根を張っています。気の遠くなるような時間をかけてできた風景を前に、それをどう撮影していいものか途方に暮れることしきりでした。

2012年8月19日日曜日

記憶にしまい込んだ調布駅

夏の日。京王相模原線上り線路の上でカメラを構えた。
踏切の線路上から見る駅のたたずまいはどこか凜としていた。
風景を貫くレールと前照灯あるいは尾灯を灯した列車の存在がファインダーの絵を引き締めていた。
1世紀もの間、踏切を渡る誰もが眺めた日常の風景が人々の胸にしまい込まれた日。

最新鋭の電車が線路の上で待ちぼうけ。なんと牧歌的な風景。それも記憶の中に。









JRや小田急線より幅の広い軌間1372ミリの線路が複雑に交わる調布駅西側の空間。
巨大な車体が規則正しい動きで迫ってくる光景を何度も眺めた。何も不安な要素はないのに、なぜかいつもドキドキしながら眺めた3、4番線からの眺めもいつの日か語り草のひとつになるのだろう。