昨日、近所の谷戸で息子とホタルを観察した。
この谷戸は地元のボランティア団体「小山のホタルと自然を守る会」が守り続けてきた場所。数年前からホタルの飛光が見られるという情報は聞いていたのだが、今年は時間ができたのと、息子が興味を示したので参加したのだ。
京王相模原線の多摩境駅から徒歩3分ほどで回転寿司の「スシロー」着。多摩境通りと呼ばれるこの新しい道は10年ほど前にできたばかりだが、このスシローだけでなく、カインズホーム、コストコ、オートバックス、その他飲食店が連なる多摩ニュータウンで最も新しく賑やか(渋滞)な通りだ。
この裏の町田街道寄りのエリアに片所谷戸(かたそやと)がある。多摩ニュータウン西端で開発を免れた里山がひっそりと残っているのだ。
まだ明るい19時前、偶然にも息子の友達一家ら10人ほどが集結していた。皆でワイワイと谷戸への坂道を降りてゆく。ヤブ蚊対策の防虫スプレーの臭いがすごい。うちは長袖・長ズボンですでに防備。ただ、懐中電灯は持ってくればよかったと後悔。
辺りはいつのまにか里山の雰囲気。 ひとの顔も識別できないくらいの闇。ずっと下った低地、古い墓地の脇が観察エリアの入り口のようだ。一人二人ではちょっと勇気のいる雰囲気だ。いつの間にか50人くらいの人が集まっていた。家族連れがほとんどだがカップルもちらほら。ボランティア団体のおじさん二名が説明を始める。26度と気温が低いので数は少ないかもしれないが必ず見られますよ、と。本当は蒸し暑いくらいがいいそうだ。
先日の台風一過の夜は30度以上になり、40頭(ホタルや蝶は匹ではなく頭で数える)を確認したらしい。
おじさんの指示でみんな奥の方に移動を始める。途中、草のうえに光を初確認! 2回光っただけだったが。やがて谷戸でいちばん低いと思われるエリアに到着。10分ほどして次々とホタルの飛光を発見。1頭、また1頭と光を点滅させながらゆったりと空中を漂うホタル。「あ!! あそこ!!」「あ〜!!ほんとだ!!!」。お母さんたちの声が谷戸の闇に響く。ホタルというと黄色い点滅のイメージだったが、白い光と言ったほうがいいかもしれない。ロウソクの炎よりもか弱いけど、闇夜で自己を主張する白いともしびは力強いものだった。同時に3頭が舞ったときはうっとりしてしまった。
しかし、最初こそ「おとうさん! あそこ!!」などとはしゃいでいた息子は、20分もすると飽きてしまった様子。「もう行こうよ」とうるさい。というより観察のあと「スシロー」で晩ご飯を食べる約束をしていたのだ。今夜の観察会参加自体がスシローで「釣った」ようなものだから仕方ないか、と10分ほどして切り上げた。
金魚といい、カブトムシといい、カナヘビといい、気付くとどうも親の方が夢中になっている。
でも、ひさしぶりのスシローも旨かったな、息子よ。今日は特別に二人きりだったしな。
22時、満腹のおなかをさすりながら多摩ニュータウン通りのトンネルを歩いて帰ったのでした。
しかしスシローの50分待ちには参ったなあ。
今日はホタルなので写真がありません。いや普通のデジカメでは撮れませんでした。